全カード発表の功罪とは――『G1 CLIMAX 29』統括

全カード発表の功罪とは――『G1 CLIMAX 29』統括

こんばんは、オオヌキです。

 

本日、東京・日本武道館で『G1 CLIMAX 29』の最終戦がおこなわれました。結果から言うと、飯伏幸太選手がジェイ・ホワイト選手を下して初優勝。去年準優勝の雪辱を果たしました。

毎年のことながらG1決勝は盛り上がりますね。異様な雰囲気ともいえます。

個人的には、今年の決勝はあまりスイングしなかった印象です。初対決とあってお互いに様子見、BULLET CLUBの介入、執拗過ぎる飯伏の負傷箇所への攻撃など、間延びする時間が多く、最後もバタバタと終わってしまいました。

G1決勝ブランドを考えると、もっとできたと思います。ただ飯伏が相当に限界だったのかもしれません。じゅうぶん良い試合ではありましたが、これからのふたりに期待して、あえて辛口の評価にしました。

 

さて、それはともかく。

今年のG1。全体的にとてもガッカリした大会でした。

その理由を書いていきます。

非常に野暮な理由ですので、閲覧にはご注意ください。

 

何度も何度も強く書きますが、人に迷惑をかけなければ、プロレスの楽しみ方に間違いはありません。わたしの楽しみ方はこれであり、あなたにもあなたの楽しみ方がある。否定されたくないし、否定もしません。

その考えをご理解いただいたうえで、ご覧いただければ幸いです。

 

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6月17日の後楽園で、G1の全対戦カードが発表されました。このカード発表は毎年とても盛り上がります。ただ、その盛り上がりと引き換えに、とても大切なものを失っています。

それは、だれが決勝に行くかのワクワク感です。

 

突然ですが、プロレスはなにが一番おもしろいと思いますか?

好きな選手をひたすら応援する、攻防をじっくり見る、派手な技に心を躍らせる、全体のストーリーを楽しむ……他にも、もっとあると思います。そのすべてが正解。プロレスのおもしろさは無限大、どの角度からでも楽しめます。

わたしがプロレスを見てから、もう20年以上経ちます。別に自慢でもなんでもありません。というより、見てきた年数はさして意味がないと思っています。長く見ている人も、今日ハマった人も、その人なりの見方がある。そこに良いも悪いもありません。

で、わたしの場合は、試合展開を楽しみつつ、全体のストーリーを楽しんでいます。

 

長く見ていると、カードを見ただけで、勝敗を予想できます。そしてそれはだいたい当たります。自慢でもなんでもなく、試合結果の8割は当てる自信があります。めちゃくちゃに外すこともありますが、年間を通せば、そのぐらいに落ち着きます。

だからといってつまらないわけではなく、勝敗を越えた感動や、驚きの展開があるから、プロレスはやめられないんですよね。

ただG1はちょっと別。

だれが決勝にいくか、ワクワクしたいんです。でも残念ながら、カードをすべて発表されてしまうと、そのワクワクはなくなります。

 

今回のカード発表時点で、多くの人が思ったと思います。

決勝は飯伏orオカダVS内藤orジェイだなと。

 

それぞれのブロックのメインが、飯伏vsオカダ内藤VSジェイ。ここで勝ったほうが決勝にいくんだなと想像できてしまいます。

さらに言えば、飯伏オカダは大きく飯伏が負け越している。ということは、今回は飯伏が勝つ可能性が高く、Aブロック1位は飯伏。となると、決勝の相手が内藤の線は薄い。飯伏内藤は今年さんざんやっているし、一応の決着はついている。そう考えていくと、内藤ジェイの初対決はジェイが勝利し、飯伏ジェイの初顔合わせで決勝。

どちらが勝っても初優勝。令和最初の大会として売りになる。そして飯伏は今年、新日所属となった。去年とは立場も変わっている。優勝するにはベスト。

と、ここまでカード発表の時点で予想できます。実際、twitterでもその予想を書きましたし、そう予想した方も多かったです。

蓋を開けてみたらどうなったか。その通りになってしまいました。

 

しかも飯伏、ジェイとも、連敗からのスタート。後半はふたりが決勝に進出するため、まるでパズルのように勝敗が埋まっていきました。Bブロックの最終戦がその一番顕著な例です。勝てば決勝の目がある選手が次々と負け、最後はジェイが勝ち残り。G1最終戦名物『星合わせ』です。これは本当に冷める。

1試合1試合のレベルはすごく高いです。年間ベストバウトでもおかしくないと思える試合がいくつもありました。でも、全体として見るとあまりに想像通りだったので、そこは不満の残る大会でした。想像通りだとしても、それを越える試合を見せてくれればまだ感動できるのですが、決勝にその力はなかったです。

 

以前はAブロック1位と2位、Bブロック1位と2位がそれぞれ決勝トーナメントに進出、『Aブロック1位 VS Bブロック2位』『Bブロック1位 VS Aブロック2位』で試合をして、勝った選手で決勝でした。これだと勝敗が非常に読みにくい。

選手には負担だと思いますが、この方式の復活を願います。

 

あと、今年のG1はジョン・モクスリーがすごくよかった。全勝優勝でもいいんじゃないかという説得力とオーラがありました。でもモクスリーの決勝はないと、これもカードを見てわかってしまいます。モクスリーの最終戦のカードはVSジュース。リベンジされる気配がプンプンです。

あと一歩で決勝なのに、ジュースに足を引っ張られる。まさにその通りの結果でした。これが先ほどの決勝トーナメント形式だと、最終戦で負けても2位通過の目がある。それすらないから、モクスリーの決勝進出は限りなく低い。そう考えながら見てしまうのが非常に切なかったです。

 

ただ……

こうやって文句たらたら言いながらも、結局見てるし、なんだかんだ楽しんでるんですよね。こんな厄介なプヲタまで飲み込むわけですから、プロレスの懐は広いです。

G1も終わり、いよいよ東京ドームに向けてストーリーが動きはじめます。しかも来年はドーム2連戦。いったいどんな展開が待っているのか。文句いった分、しっかり見届けますよ!